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2007-01-15 

「ウェブ人間論」を読む 

4106101939ウェブ人間論
梅田 望夫 平野 啓一郎

新潮社 2006-12-14
売り上げランキング : 134

--Amazonより--
日本におけるインターネット元年から十年。いまウェブ2.0という新たな局面を迎え、本当の大変化が始まろうとしている。「ウェブ進化」によって、世の中はどう変わりつつあるのか、そして人間そのものはどう変容していくのか──。ビジネスとテクノロジーの世界に住む梅田望夫と、文学の世界に生きる平野啓一郎が、その変化の本質と未来を徹底的に話し合った、熱く刺激的なウェブ論。

まずは“人”にスポットを当てている点が素晴らしいなと。というのも、私が以前「ウェブ進化論」を読んだときにまだ語り尽くせていないと感じたのが、「Web2.0世界で人の心はどう変わるのか」という点だったからである。実際、日記にも書いた。

■「『Web2.0』が教えてくれないこと」
http://gueed.blog88.fc2.com/blog-entry-67.html

本書は対談の形式をとっていて、主に作家の平野氏がITの専門家である梅田氏に対して質問を投げかける形式となっている。平野氏がWeb2.0とその後の世界の人間像をこれまで実世界に起こった社会現象や賢者の分析から類推し、それを受け取った梅田氏がWeb世界ならではの現象とその分析を加味して未来の人間像をひねり出すことで、議論をさらに一歩前進させるという仕組みである。

Web2.0世界の人間像を構築する上での視点を与える役目を暗に設定されている平野氏の発言は、非常に論理的で、かつ実際主義的で、そのうえ人間くさかった。この人の本は面白そうだしもっと読んだほうがいいかもしれない、とメモ。

それに対して構図的に受け手となった梅田氏にはかなりの負担があったと想像されるが、平野氏の示唆に富む質問の数々は、梅田氏の作り上げたWeb2.0世界の人間像に大きな影響を与えたはず。むしろ今回の対談で多くを得たのは梅田氏の方だったようにも思える。

そして梅田氏の思考を追うように読める本書の出来はやはり素晴らしい。★4/5。超超近未来ではあるが、テクノロジーの進化によって人がどう変わるかを予想するという試みは紛れもなくSFだし、読んでいて興奮する人も多かったのではと思う。そして文章も平易だし、またアホみたいに売れるんだろうなぁと想像して激しく妬んでいるのが、何を隠そう、この私である。はっはっは。

……とまぁ、あちこちに書いてありそうな書評はさてき、私が「ウェブ進化論」を読んで抱いた疑問が氷解したかといえば、それはまた別の話。

以前も書いたが、結局私が気にしているのは、Web2.0を標榜する多くのテクノロジーが導入している「民主主義」、もっといえば「多数決」というシステム。もちろんどちらも実世界で何度もシミュレーションされた(こらこら)実績のあるシステムで、残念なことに現時点ではベターであるという答えが出ているから、採用するのは分かる(よね?)。

でもこれをWeb2.0のテクノロジーを用いてシステムとして導入するってことは、同時に、現代で起こっている多くの問題(“格差”やその他もろもろ)をそっくりそのまま持ち込むって事なのではないかと思うわけで。あーもっとハッキリいうと「また衆愚政治ですか」という失望感が先行してしまう、という感じなんだわ(めんどくさくなってきた)。

で、その部分について言及がないかといえばそうでもないんだけど、なんつーか、あまり踏み込まれていない。これは対談というスタイルの問題なのか、どのテーマも尻切れトンボに議論次々と広がっていってしまうし、平野氏と梅田氏で論点が絞れておらず話がズレている場所が散見される。確かに読みやすいけど、本として見ると少し完成度が低くなっていて、そこが残念といえば残念かなぁと。

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京都府生まれの執筆業者(3234歳/男/東京都世田谷区在住一時的に京都府在住)。ライティングやらWebのお仕事やらをしています。

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