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2013-01-21 

「今までで一番面白かったゲームは?」という質問 

父親の病気の関係で、実家と――狭い部屋を借りた――京都市内を往復している。京都市内にはダンボールを引き取ってくれる公的サービスがない(!)ため、ブラウザが擦り切れるほどAmazonを使い倒す我が家にとっては少し不便だったりするわけだが、それはさておき掲題の件。
 
“ゲーム”の部分は映画や本などに適当に置き換えてもらうとして、とりあえず「今までで一番面白かったゲームは」と聞くと、大抵の人は自分でうまく基準を作って答えてくれる。これが面白かったとか、あれが好きだとか。

ここで、質問を「今までで一番時間を使ったゲームは?」に変えてみる。

この時間とは、もちろんプレイに要した時間だけでなく、そのゲームの攻略Wikiを読んだり人と話したりした時間なども含めての時間。この質問の答えが、「今までで一番面白かったゲームは?」の答えと違ってくる人は多いはずだ。私自身も、一番面白かったゲームを聞かれたら「カルネージハート」(レビューはここ)と即答するが、一番時間を使ったゲームを聞かれたら、数千時間を費やしたであろう「EverQuestもしくはMHP2G」と答えるしかない(なんか悔しい気もするけど)。

ところで、私の好きなエピソードをひとつ(うろおぼえなので適当に端折りつつ)。

とある家庭用食器メーカーが、次に市場に投入する“お皿”のフィードバックを得ようと数人のおばちゃんを集めた。同メーカーは、現在開発している丸くて白い皿、黒くて四角い皿など、さまざまな新製品を用意した。
おばちゃん達は皿を眺めたり、実際に手にとったりしてなんやかんやと意見を出していく。最終的におばちゃん達の意見をまとめると、どうやらモダンなデザインの黒くて四角い皿が人気のようだ。そんなこんなでテストは無事終了した。

ここで、メーカー側の担当者が一言。
「テストは終わりです。サンプルのお皿はもう使わないので、お好きなものをお持ち帰りください」

すると多くのおばちゃんは、黒くて四角い皿ではなく、丸くて白い皿を持って帰った。

※その昔読んだ「ユーザビリティエンジニアリング原論」か「ユーザ中心ウェブサイト戦略」どちらかのコラムにあったエピソード。PDF化したファイルが見つからないので確認不可能。ごめんなさい

おばちゃん達は、デザインや使い心地みたいなものは黒くて四角い皿が良いと思ったが、実際に家で使うことを考えると、オーソドックスな白くて丸い皿が良いと判断した。つまりおばちゃん達は、意見を出す段階では自らのニーズに気付かなかったわけですな。

この結果から導き出されるのは、「ユーザーの意見ではなく行動に着目せよ」ということ(マーケティングの分野ではイロハのイだろうけど)。先述の「今までに一番時間を使ったゲームは?」は、まさにプレイヤーの行動に着目したもので、面白かったという意見ではなく、“どれぐらい時間をかけたか”という事実を問う形の質問なのだ。
ちなみに「徹夜本」も、“徹夜したという行動”の動かない事実に着目した切り口という意味では同じ。徹夜本を人に聞くという行為がある程度一般化したのも、やはりその質問に対する回答に説得力があるからだろう。

んで、私がなんでこんなことを書いているかというと、年末になると出てくる「この一年で面白かったゲーム」みたいな記事を読んで、いつも釈然としないからである。「へーそうなんだー参考になるなー」と読みつつも、心のどこかでは「この嘘つき共め!」と叫んでいる。「面白い」が多くの意味を包含していて実質“使えない”言葉になっているのは今に始まったことじゃないけど、そろそろ実用的な設問の数々で“もっと本当のところ(のようなもの)”を知りたいなぁという。

※一方で、「面白いという意見の出るものが面白いとされ、実際に面白くなる」という側面は少なからずある。しかも実際に面白くなるなら――人によっては――十分に実用的なわけで、はっきり言って涙が止まらない。ううっ;;

まぁとにかく、ニーズをキチンとほじくり出してどんどんゲームを楽しみましょうという意味では割と有意義な質問かなと。決して「さっきの答えと違うぞ! おまえはプラグマティックにものを考えられない軽薄なヤツだ!」などと言うための質問ではないという点に注意されたし。「こいつはアホだ」とか思われます。

ありがとうございました。

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京都府生まれの執筆業者(3234歳/男/東京都世田谷区在住一時的に京都府在住)。ライティングやらWebのお仕事やらをしています。

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